ぐちゃぐちゃと気持ちの悪い音を立て、食虫植物が虫の足を食べている・・・。



その場には、気の毒そうな顔をしている食虫植物の管理者と
道が開け期待の面持ちの2名、泣きそうになりながら変な汁まみれの水晶を抱えた1名の姿があった。



どうやら途中から色々なものを捨てたようで
水晶をゲートにはめ込む頃には、怖い程好戦的だった。
ゲートを守護していた食虫植物が動かなくなっても、何度もオノを振り下ろしていた。


一通り粉々にすると気が済んだのか満面の笑みで、その先へ歩みを促した。



クハラと共に、別の恐怖を感じながら奥へ進んでいくと
崩れ落ちた橋があった。
「飛び越えればいいじゃない。失敗しても骨は拾ってあげるよフフフ」


背後で重たい物を振り回す音が聞こえる。
選択肢は「落ちた橋を飛び越える」か「死に方を選ぶか」だけらしい・・・





―――――
しばらくして、橋の向こう側には、泣きながら抱き合い無事を喜ぶ二人と
残念そうに斧を仕舞うポークルの姿があった。




さらに奥へ足を進めるとコボルトがいた。
剣を抜き構えると、コボルトは慌てながら
「オ、オデハ、ワルイヤツ、ジャナイ」
叩き斬ろうとしているご乱心ポークルを押さえつけながら、戦士の帯のありかを尋ねる



「ソレ、シッテル、オシエルカワリニ、ガレキノ、ナカカラ、クマ、モッテキテ、ホシイ」



コボルトが言うには他にも冒険者がいるらしく、その男が戦士の帯を持っているのを見たという



その奥は、先程の橋の下側となっており、風化した亡骸が落ちている。



ここで行き止まりのようだが、その場所にその男がいた




強力な殺気を纏っている為、作戦を練る事にして物陰に潜む・・・




しかし残念な事に、ダメな子が一人いた。
「あんなモン蹴散らせばいいんじゃぁぁ」
と叫びながら斧を構えて向かって行く。



仕方がないので、物陰から飛び出し応援に回ったが
結局、冒険者の灯火で合流する羽目になった・・・


復活したィシウが
何かぎゃあぎゃあ言いながら元の場所へ走っていったが
四半刻もしないうちに灯火のところに戻ってきた。


「アイツ何なの!?ずっとこっち見てやがって!ゲイザーか何かかまったく!!」
とボヤいている。
クハラと一緒になって何とかなだめ一度街に戻る。


作戦を立てなければ・・・



街の門をくぐり終わらないうちに、街中に大きな爆発音が鳴り響いた。


またあの魔導師だろう・・・


その瞬間閃いた。



その足でウァロックを尋ねた。
「簡単ですよ。まずはパーティの印を出してください」
「ここをこうして・・・
あとはこの薬を飲むだけで大丈夫です。さあどうぞ」



その男はそう言って、棚から透明な薬の入った小瓶をいくつか出してきた。



一思いにどうぞ!心の準備を整える間もなく促される。
その表情はウキウキしている。



それはそうだろう、タダで人体実験ができるのだ。しかも3人も



覚悟を決めて飲み干すと、なんとも言えない風味が口に広がる。



「おおっ成功ですね!姿が消えましたよ!
これで別の実験の資金ができそうです。早速、報告に行くので失礼しますよ!
残りは差し上げます。
あ、そうそう効果時間は不安定なので気をつけて使って下さい。」



そう言うと慌ただしく羊皮紙の束を抱え何処かへ走っていってしまった。



姿を消せる薬らしいが、本当に大丈夫だろうか・・・。


パーティの印と連動して、メンバーだけに姿が見えるらしいが
効果が消えたのを誰が確認するんだろうか・・・。



でも手元には残り5本の薬があるし、きっと大丈夫だろう多分・・・。



街で準備を整え、件の場所に向かう。あの男は同じ場所で何かを準備していた。



手前にいた例のコボルトに、姿が消えているか確認したところ
「ン?ナニカノ  アソビカ?ミエテナイ、ミエテナイゾ?」
と完全に見えていた風なので、物陰に隠れ薬を飲み干す。



三カ所へトラップをしかけィシウ達に合図をする。
二人は武器を構えると一斉に斬りかかった!



ちゃんと姿が消えていたようだ
「またお前等か!どっから現れやがった!」
と叫びながら二人の攻撃を受け流した。



だがィシウがトラップのある場所へ斧で弾き飛ばした。



無数の槍が男を襲う。直後黄色の霧が男を包み込んだ。
用意してきた酸の霧だ、これで防具も役に立たない。



それを合図に一斉に3方向から畳み掛ける。
同時に全ての方向に対応する事など、流石に無理であろう
その男は、ようやく膝をつき、そのまま倒れ込んで動かなくなった。



「さすがに、賞金首は手強いな」
「えっ・・・?」
クハラと共にびっくりして聞き返す



ィシウは懐から一枚の人相書きを取り出すと、目の前でヒラヒラさせてみせた。



【荒くれ探検隊アルゴス】
この者を捕らえた者には、生死を問わず、4,000Gの報奨を授ける。



思わぬ収入に喜びながら、男の荷物を調べると【戦士の帯】を見つけることが出来た。
こちらも頂いて行こう。



後は、街へ帰ってウァロックへのお礼と、みんなで楽しい山分けの時間だ。
祝賀気分でワイワイふざけながら街へ戻った。



周りの冷たい視線も気にせず
お礼を言う為に、ウァロックの研究室を訪ねた。



「なるほど、それは良かったですね。
 こちらもお陰様で、当面の研究費を魔法局へ約束させましたよ!
残りの薬はご自由にどうぞ。
そうそう報奨金を受け取りに行くなら、帰りにきつけ薬を1つ買って来てください」



クハラが別の街へ旅立たなければいけないということで
報奨金の受け取りと、ベルトを買い取って貰う為、研究室を後にする。



残りの薬をくれれば、戦士の帯に2,000Gも出してくれるというので
報奨金をィシウと二人で山分けにし、支払いを相殺してそのまま別れた。



きつけ薬を渡しに戻ると、ウァロックは気が付いたように
「おや?お二人は姿が見えるようになりましたが、もう一方はまだ効果が切れていませんね。
 先ほどは、フェンさんしか姿が見えていませんでしたが・・・」



クハラは別の街へ旅立った事を伝え、きつけ薬を渡す。



「1000Gですか、成る程うまい事考えましたね。道具屋で購入したら6,000Gぐらいしますからね。」



「えっ・・・えっ!?」
あれだけ苦労したのに道具屋に売ってる・・?
「薬を持って行った所を見ると知ってたみたいですねー」


衝撃の事実である。まんまと乗せられてしまった・・・。
薬で姿を消しているだろうし、もう追いかけるのは無理であろう。



そしてもう一つ重要なことに気がついてしまった・・・



街に戻った時の周りの冷たい視線の正体が、みんなで騒いでいたからではない事に・・・。
		

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